スキューバーダイビングの世界
印刷課のHさんは、こわい者しらずのパワー全開のチャレンジャーです。
車椅子生活13年の彼女は「スキューバーダイビング」という文字に引かれ、目についたダイビングスクールに突然一人で入ったそうです。障害のある人のスクールではなかった為、事後報告をうけた両親や友達は、びっくりするやら心配するやらと大変でしたが、当の本人は「何とかなるだろう」と、不安よりも期待一杯で始めたそうです。
初めて和歌山の海に潜ったときは、大阪から近いところにも、こんなに魚がたくさんいるんだと感動したとの事です。今ではサイパンやポナペを初め、日本の各地に70回位潜りにいっています。
そんな彼女も、スキューバーダイビングをやっていて一番大変な事は、体力が無いことと移動だと言います。体力が無いとみんなのペースについていけず、みんなとはぐれたりして事故につながる可能性もあるので、細心の注意をはらいます。また、水に濡れるため、車椅子は常に2台持っていきます。しかし、周りの協力や何事にもくじけない頑張りやの性格で、もう3年間続いています。
海の中では魚になった気分で気持ちが良く、みんなと一緒に潜れる事が楽しくてしかたがないようです。
ダイビングに夢中で、お金がなかなかたまらないと言っていますが、夢は”世界一周をしながら各国の海に潜ること”と言っていた彼女の瞳は、最高に輝いていました。
釣りの楽しさ
”かっこいい車椅子ヤロウになりたい”という信念のNさんは、今年期待の新入社員です。
彼は2年前にスポーツをしている時に事故になり、車椅子の生活になりました。
最初は現実を受け入れることが出来ませんでしたが、多くの友人の励ましのおかげで現状と向き合い、乗り越えていく勇気が持てたと言います。
もともとスポーツが大好きな彼は、車椅子の生活の中でも、バスケットボール・テニス・カヌーと挑戦し、友達の輪を広げていっています。そんな人間大好きの彼の現在の楽しみは、テニスと釣りだそうです。
以前からルアーフィッシングが趣味だった彼は、車椅子の生活になっても釣りを諦めきれませんでした。
ルアーフィッシングとは、その場にじっと座って魚が来るのを待つのと違い、常に移動しながら魚を釣っていきます。しかし、車椅子だとなかなか釣り場での移動が出来ません。良く釣れる場所があっても、砂利道・泥道・水の中・階段等がある所は行けなくなったので、思ったように釣れなくなったと言います。しかし、車椅子で階段や坂道を下りれる練習を重ね、少しずつですが行動範囲が増えてきたそうです。また、釣りに行く準備・リール巻き・釣竿を持っての移動等、今まで何の苦労も無くやっていた事が、車椅子の生活になってからはかなり大変になったとの事ですが、車椅子にネットを付けたり、リール巻きの器具を購入したりと工夫を重ね、毎週釣りに行っています。最高は50cmのブラックバスを釣ったそうです。
いろんな苦労はあるけど、魚が釣れたときの嬉しさには変えられないと楽しそうに語ってくれた彼は、現在、車椅子の乗れる船を作って、海へ釣りにいく計画を練っているそうです。
入社当時から何にでも意欲を持ってチャレンジしている彼の行動に、また新たな感動を覚えました。
この他にも、私達の会社の車椅子の人は、車椅子マラソン・水泳・スキー・アウトドア・陶芸等、色々な事に挑戦しています。 この様に「車椅子だから出来ない」と思われたり、自分達であきらめていた時代は終わったと思います。 確かに、社会はまだまだ障害を持っている者に対して優しく有りません。でも、みんなのように自分の道を開拓していく努力があれば、出来ないことは無いと感じました。 今は私達の考え方次第で、何でも出来る、何にでも挑戦できる時代になりました。始める前に出来ないと考えるより、勇気を出してチャレンジする事、やって出来なかったときは自分流の方法を考え乗り越える、このフロンティア精神が、車椅子生活を楽しむ第一歩ではないでしょうか。
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